ハコベは日本のどこでも見られる越年性一年草です。地面に平たく這うように葉茎を伸ばし、生長していきます。明るいグリーンの柔らかい茎に小さなたまご型の葉を対生させ、先端にこれまた小さな白い花を咲かせます。ハコベは春の七草としても有名です。越年草とは秋のうちに芽吹き、そのまま越冬して春に生長するサイクルの植物のことです。ハコベは寒い冬の間もひっそりと、明るいグリーンの新芽を出して春を待っています。
半日陰で湿気のある場所を好む。ハコベは肥沃な良い土地に生える代表的な雑草でもある。夏の暑い時期のみ休眠しますが、春から初夏にかけてと、秋には成育が旺盛になる。
食用や薬用にしたり、柔らかい草質からニワトリや小鳥のえさなど(ペットとして鳥を飼っている人が、ハコベを栽培していることが多い!)花期の3~6月に地上部の茎葉を刈り取り、水洗い後、天日干しにしたものを生薬名「繁縷(ハンロウ)」といい、産後の浄血薬、催乳薬、胃腸薬や湿疹などの皮膚炎の治療薬として用いられてきました。また、同粉末に適量の塩を混ぜたものを「ハコベ塩」と呼び、これを指に付けて、歯茎をマッサージすることにより、歯茎からの出血、歯槽膿漏の予防に用いられてきました。